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ステーターコアの試作開発ストーリー【開発技術課】

開発ストーリー

2023.07.28

石坂電器本社には開発技術課(以下開発課)という部門があり、社内でも特にモータやコイルに造詣の深いメンバーが所属、試作品の開発等をメインに日々活動しております。

 

 

しかし近年発足した部署ということもあり、社内でも事業所が違うと『そもそもどんな仕事をしているのか』がまだあまり認知されていないことも…😢

社内はもちろん、社外の方々にも広く知っていただくにはやはり自社のホームページが最適!

と判断し、本日より開発課も当ブログに参加いたします!

 

 

 

今回は早速開発技術課のモーター開発担当者に聞き込み、株式会社ワークロボティクスよりご依頼いただいた、試作ステータコアの開発ストーリーをインタビュー形式にてご紹介いたします!

また、本記事に関し、掲載の許可をくださった株式会社ワークロボティクス様に厚く御礼申し上げます。

 

 

 

まず、こちらが納入した試作のステータコアです👇👀✨

全て担当者による手巻きで製作いたしました。

 

 

──そもそも、【ステータコア】とは?

『ステータコア』はモーターが回転する力を生み出すための部品のうちの一つです。固定子とも呼ばれており、このステータコア自体は固定され回転しません。

 

ステータコアは薄い電磁鋼板を複数枚接着して積み重ねたブロックからワイヤーカット(放電加工)によりコアの形状に切り出して製作しています。

※この製作方法は試作やごく少量の製作の場合に用いられる方法です。

複数枚のステータコアが組み合わされた状態の部品となり、ステータコアUNITと呼びます。

 

このステータコアUNITに静電塗装を行い、磁気を発生させるマグネットワイヤーを巻線したものが今回製作した試作品です。これをステータコアASSYと呼びます。

また、巻線に電力を通して磁力を発生させるため巻線とステータコアは電気的に絶縁する目的で静電塗装を行っております。

 

 

今回の試作では支給いただいたアルミ製ブラケットにステータコアASSYの圧入組立まで担当させていただきました。

 

 

 

──納品したステータコアASSYは最終的にどのような用途で使用される予定ですか?

ワークロボティクス様でモータアセンブリ状態に組み立てられ、建築物の天井裏や狭い空間などの検査用走行ロボットに用いられます。ロボット1台につき4~6台のモータが搭載されるそうです。

 

 

──ワークロボティクス様との出会いの経緯を教えてください。

昨年(22年度)3月の*機械要素技術展M-Techに石坂電器が出展した際、ワークロボティクス様がブースにお立寄りくださったのが弊社を知ってもらうきっかけになったかと。その場では名刺交換のみでしたが、半年後に「モータの試作をお願いしたい」とのご連絡をいただき、受注を承るに至りました。

*…日本ものづくりワールド内にて開催された、国内最大級の製造・加工業種専門展示会

 

 

──数ある企業の中で、弊社に試作を任せていただいた理由はなんだと思いますか?

「モータを1台、もしくは数台試作したい」といったニーズに応えることが出来るからだと思います。こちらは展示会に出展していた時にもご相談いただいていましたので。

 

 

──受注が決定してから完成・納品までのスケジュールを教えてください。

今回の件ではまず(ステータコアASSY)1台をその年の11月に納め、続いて仕様変更のち追加発注いただいた10台を今年の4月にすべて納品いたしました。

いずれも受注からおよそ2か月で納入しています。

 

 

──試作の完成までに苦労したことはありましたか?

今回は手巻きだったので、銅線の巻き方を検討していた時は納得のいく巻き方が出来ず、5~6回やり直すこともありました(笑)。社内には別の部署にも巻線のスペシャリストがいるので、その人たちからも意見を聞いたり、一緒に解決策を模索していったり。

それとサプライヤーさんの手配ですかね。昔の伝手を頼りに探し出しましたが、今回の依頼のおかげもあり最終的にとても良いサプライヤーさんとの繋がりが出来ました。今後も開発品の試作などで協力していただきたいです。

 

 

──試作モータのこだわりを教えてください。

やはり、綺麗に整列した巻線がこだわりです。手巻きですが巻線の抵抗にバラつきが出ないよう、特にテンションのかけ方に注意して製作しました。引っ張りすぎて線が細くなると本来のモータ性能が発揮できなくなってしまいます。これでは巻線の出来栄えとして不合格ですので。

あと、自分の精神の状態がそのまま巻線の出来に反映されちゃうんですよ(笑)。なのでかなり集中して取り組みましたね。

 

 

 

 

──お客様からの評価はいかがでしたか?

ありがたいことに、モータの目標性能にしっかりと到達していたこと、不具合もなく安定して動作していること、その他細かい点も含めて高い評価をいただいております。

 

 

──今回のモータ試作の依頼を受け、担当者の総合的な評価をお願いします。

実はこの案件は当時自分が中途で入社して以降、初めて受けたモータ試作の依頼でした。前職で設計部門だったこともあり、知識はある程度持ち合わせているつもりだったんですが、実際に手を動かして製作する中で新しい発見がいくつもあって。まだまだ(モータに関して)勉強出来る部分が多いなと改めて感じました。

なのでこれまでに持っていた知識に加え、この案件で得た新たな認識/視点を今後に生かしたいという思いが強くなりました。具体的に言うと、図面をもらってただ製作するのではなく、その製品がより良いものに出来るようこちらからも意見を提案しながら、クライアントと一緒に作るという感覚を大事にしたい。今取り組んでいる仕事にもその姿勢で臨めていると思います。

そして、将来的には自社製モータを世に出して役立てたいという目標があるので、今後も開発力や生産技術を向上していきたいです。

 

 

いかがでしたか?

 

石坂電器の開発部門は試作案件に関して少量でも対応出来る体制をとっていますのでモータを1個~数個試作してみたいなどのご要望がありましたらぜひお問合せください。

また、長年の巻線生産で培ったノウハウで新製品の開発や試作の製作、量産までの一貫したご依頼も承っております。

既存品の改善(構造変更・小径化・コストダウンほか)に関するご相談も大歓迎です。

 

詳しくは本ホームページのこちらをご覧ください。

お問い合わせはこちらから🐧

 

 

今後も不定期で開発ストーリーをこちらのブログに掲載予定ですので、ぜひご覧くださいね!

 

そして重ねてとなりますが、今回のご依頼及び本記事の作成にご協力くださった

㈱ワークロボティクス様、本当にありがとうございました!

今後も末永くお付き合いいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

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